Jul. 2020

 7月6日に米国移民税関捜査局(ICE)が、秋学期以降、オンライン授業だけの学校に通う留学生がアメリカに留まることを認めないとアナウンスして、留学生みんながざわついたところから7月が始まりました。もともと、オンライン授業は1学期につき1科目または3単位まで認められていたのが、コロナの影響で3月以降はその規制が一時的に解除されていた状態でした。私の学校もですが、夏学期はほとんどの学校がオンライン授業のみを行っており、秋学期に対面授業を再開する気配がない状態でこのアナウンスを聞いたので、どうなっちゃうんだろう、っていう感じでした。翌日にハーバード大学とMITがそれの差し止めを求める訴訟を起こし、多くの大学が原告に参加して、結果として、ICEのアナウンスは秋学期には適用しないこととなりました。この出来事は(事実なのかどうか知らないですが)、トランプさんの選挙キャンペーンの一環だったみたいです。コロナで経済が傾いている中で、次の選挙に向けて学校もビジネスも早急にオープンさせたいという狙いがあり、留学生がいなくなると経済的に困る学校にプレッシャーをかけて学校を再開させようとしたようです。学校が対面授業を再開することは私にとってはうれしいことですが、対面授業を開始しなかった場合、アメリカに滞在できなくなってしまうのでとても困ります。日本人がアメリカの留学ビザ(F-1ビザ)を取得する場合、他の外国の留学ビザを取得するよりも難しいといわれています。近年はF-1ビザを取得するには面接があり、そこではアメリカに定住する予定がないことや収入を得る気がないこと、結婚する気がないということを確認されます。アメリカは、アメリカで一時的にお金を落としてくれる人には来てほしいけど、アメリカでお金を稼ぐ人や定住する人には来てほしくないと思っているようです。そんな感じで、お金を落としに来ているのに、今、政治の道具に使われて、正直、とてもいい迷惑だなと感じました。しかし、所詮外国人だからしょうがないってことなんでしょうか。アメリカの人は、政治についての意見をはっきり言う人が多く、トランプさんを支持するのかそうでないのかについても耳にする機会がよくあります。日本だとあまり考えられないですが、学校の先生もトランプさんを支持するのかどうかを公言する人がいます。今回もこの出来事について、留学生に対する差別だと主張している先生がいて(当然反トランプなのでしょう、トランプさんは差別主義者という主張)、そういう解釈もあるんだなと思いました。ちなみに差別というキーワードもアメリカに来てよく耳にするようになった言葉です。アメリカに住んでいる人はあらゆる差別と闘っていると思います。私にとっては新鮮な言葉の1つなのですが。人種差別、性差別、年齢差別、性的趣向の差別、宗教差別、いろいろな差別について議論していて、語学学校だとよく授業のテーマにもなります。今回のICE の件では、外国人として住む立場の弱さと、日常生活に政治の影響を強く受けうることを実感しました。

秋学期もアメリカで学生生活が続けらることが決まったことですし、ここからは落ち着いて夏学期の授業のことを書きたいと思います。私の学校の夏学期は6月の下旬から8月の終わりまでです。しかし、大体6月の下旬から8月の終わりまでの10週が基本となっているだけで、早めに6月の上旬から始まるものもあれば、遅めに始まるものもあります。明確な夏休みや冬休みはなく、授業の切れ目があればそれが何となく休みの期間となります。私は春学期と夏学期の間に休みはありませんでした。夏学期と秋学期の間も多分休みはありません。話がそれましたが、夏学期に取った授業は4つです。

1. Data Analysis Introduction

必須科目の1つです。春学期に取る予定でしたが、授業がドタキャンとなったので夏学期にとることになりました。Rの基本的な使い方を学んだあと、個人または2人で実際になにかしたらの分析をします。データの収集、クリーニング、データの調査、主目的の計算(機械学習とか)、結果のプロットを一通りやってみるというイントロダクションのコースです。私のテーマは米国の財務諸表の分類でした。言語を使った分類がやってみたかったのでやってみましたが、分類結果はいまいちでした。どういう風にやるのが正解なのかよく分からないので、基本的なことをやって終わりました。Rは少しは触ったことがありましたが、やはり、習うと学ぶことが多いと思いました。ただ、イントロダクションのクラスなので分析の方法についてはたいして教えてもらいません。最後の授業で自分の分析についてプレゼンテーションをします。先生はインド人です。リスニングが難しいです。Rの使い方を説明する授業の時はまだついていけたのですが、機械学習のアルゴリズムを説明する授業でついていけなくなりました。(それはアクセントの問題ではなく単に私の英語力の問題ですが)

2. Python for Machine Learning and Artificial Intelligence Essentials

機械学習の科目をとる前に必須となっている科目です。データ分析用のPythonのライブラリを学んで、こちらも個人の分析のプロジェクトを行います。前述のRのクラスと同じような感じで、自分の好きなテーマでデータを集めてきて何かしら分析をします。私は米株の株価と少しの種類の財務データを集めて何かしら計算しました。このクラスでは計算の内容よりも、可視化を評価されます。Rのクラスの先生も言っていましたが、この先生もデータ分析の仕事の大半は可視化です、と言っていました。私の分析のテーマは株価なので数字でしたが、他のクラスメイトは画像とか位置データを使っている人もいて、たしかに可視化は重要なんだなと思いました。先生は、時々昔の有名な数学者や、現代の有名な科学者を授業で紹介して、アカデミックかつ実践的な先生です。こちらの先生もインド人です。フルタイムの仕事をしながら、私の学校で2つもコースを受け持っている強者です。

3. Programming for Cloud Computing: Amazon Web Services

AWSでインスタンスとかS3とかを管理するためのプログラミングを学びます。これは私の専攻の科目ではなく別の専攻の科目ですが、選択することができるので取ることにしました。主にPythonとBashで、TerraFlowというプラットフォームに依存しないクラウド管理の言語も少し学びます。宿題が多くてたくさんプログラミングしないといけないです。軽く仕事レベルです。シラバスの事前の要求事項に何かしらのプログラミング経験があればより良い、としか書いてなかったけど、初めてPythonやBashを触る人にはかなりヘビーな内容だと思いました。春学期の授業で就職面接の練習があり、その時に模擬面接用の求人を調べていたら、AWSの経験を問われるものが多かったのでこの授業を取ることにしました。先生はアメリカ人です。安心の聞き取りやすさです。

4. Python for Programmers

既にPythonをちょっと触っている人や、他の言語のプログラマー向けのPythonのコースです。Pythonは春学期もデータ分析用のPythonのコースをとったし、少しは触ったことはあったのですが、やはり習うと学ぶことが多いと思いました。宿題で問われている内容が理解できず困ることがあります。そんなに長い英語ではないのですが、何を問われているのか時々わからずGoogle翻訳に教えてもらいます。Google翻訳は頼りになります。先生はアメリカ人だと思っていたのですが、時計の読み方はイギリス式でした。アメリカとイギリスのアクセントの違いはよく分からないしどっちでもいいのですが、私には聞き取りやすいのでありがたいです。

いずれのクラスもクラスメイトはインド人、中国人、アメリカ人(?)が大半です。仕事をしながら学んでいる人もいて、年齢も様々です。半分くらいは私より年上かもしれないです。(顔は最初の自己紹介の時しか見てないか、全く見ていないかなのでよく分からないですが)今期も改めてシリコンバレーにはインド人と中国人が多いということを実感しました。他の科目もですが、流行りの科目の先生の多くはインド人のようです。シリコンバレーに来る人はインド人の先生に英語を習った方がいいと思います。本当に思います。ちなみに、アダルトスクールやカレッジの少額または無料の英語のクラスを受けて、合計4人の先生に教えてもらいましたが、そのうち2人がインド人の先生でした。

夏学期は宿題やプロジェクトが多くて時間に追われる日々でした。英語のクラスまで手が回らず英語の勉強もほとんどできませんでした。あと一週間ありますが、まだ最後のテストやプレゼンテーションがあるので気が抜けないです。苦しかったので、早く楽になりたいです。