Jan. 2021

学校の授業が全て終了した後は、OPTの仕事を探していました。

OPTの説明の前に、駐在以外でグリーンカードのない外国人がアメリカで働くことがいかに難しいかを説明したいと思います。とにかく、就労できるVISAを取得するのがかなり難しいです。就労できるVISAを取得するためには、まずはVISAのスポンサーとなる会社を見つける必要があります。その会社にVISAの抽選に応募してもらい、見事抽選に当たれば就労VISAを取得することができます。VISAのスポンサーとなるのはお金がかかるし、抽選に応募できるのは年間1回だけ4月にチャンスがあり、抽選結果が分かるのは10月です。だいたいの外国人はVISAがないだけでなく、英語も下手だったりするので、そんな苦労と不利な点を乗り越えるほどの何か特殊な能力がある人でないと雇ってもらえないということになります。移民排除の政策をとっていたトランプ政権時代にVISAの要件(当選する人数とか)がいっそう厳しくなっていてここ数年が一番厳しかったらしいです。

ここでOPTの説明をしますと、OPTというのは Optional Practical Training のことで、有給インターンです。外国人がアメリカの大学、大学院など、最低でも9か月以上の認められたコースを修了し、OPTをやりたいと申請すれば、その後1年間アメリカで給与を得て働くことができる権利を得られます。OPTの期間中は学生VISAのままなのですが給与を得て仕事をしてよく、就労VISAの申請や抽選結果を待つ必要がありません。OPTとして就労している間に、その会社にVISAのスポンサーになってもらい就労VISAを取得するというようなことができます。アメリカへ留学する人の多くはOPTも視野に入れて留学していることと思います。

私が昨年終了したコースもOPTの対象となっており、私がそのコースを選択した理由も、OPTができるからというのが大きかったです。OPTを申請してから認められるまでには3か月から5か月かかると言われているので、昨年の9月末に申請をしていました。OPTでの就労開始日は、学校のコースが終了してから60日以内の日でなければならないのですが、申請時に自分で決められます。申請が認められるまでにかかる日数や仕事を見つけるのに必要な日数を勘案して、私は2月1日を就労開始日に設定しました。なお、就労開始日から仕事を開始しなければならないわけではなく、就労開始日から1年後までの間に、合計90日間は無職の期間があってもよいので、私の場合、4月末ころまでに仕事を見つければ問題ありません。また、OPT期間中に転職してもよいし、パートタイムの仕事や自営業、ボランティア(無給)でも問題ないです。ただし、1週間のうちに働かなければいけない最低限の時間数が決まっています。

長々とOPTの説明をしてきましたが、12月からこれまでの間、OPTの仕事を探している間が留学期間でもっとも精神的には参ったということもあり、説明に力が入りました。一般的にOPTの仕事を見つけるのは難しいです。第一の難しい理由は、ローカルの労働者と比較した場合にどうしても総合的に劣るからです。OPTの権利は1年だけなので、その後VISAのスポンサーになってもらう前提となるわけですが、それだけローカルの人より優れていないと太刀打ちできないです。VISAの前に英語面で劣っていて、VISAでも劣っているので、よっぽどの何かが必要です。なので、ローカルの人とは戦わず、日英バイリンガル(すなわち日系企業)の仕事を探す戦略になります。そこでも当然グリーンカード保持者が優遇されますが、中にはVISAスポンサーになってもよいという会社もあるので頑張って申し込んでいくことになります。私の場合はOPTを1年やった後、日本へ帰る予定なので、VISAのスポンサーになってもらう必要はないのですが、1年以内の短期の仕事を探すのに苦労しました。大体の仕事の募集は長期的(期間の定めのない仕事)なので、応募できるものがほとんどなかったです。ときどきプロジェクト単位の仕事の募集があり、6か月とかいうのがありましたが、よくよく話を聞くと短期と言いつつも、実は試用期間のようなもので、本当は長期で働ける人を探しているというものがだいたいでした。

就職活動は大手の就職エージェントのWEBサイト(Indeed, Monster, LinkedIn)と日系のエージェント数社へ登録して行いました。日系のエージェントは、日本国内のエージェントとかなり似ていると思います。まずは担当の方と面談してその後マッチする仕事があれば紹介してもらう、というものです。だいたいのエージェントの方に言われたのは、基本的にはOPTの仕事の紹介はしていない、紹介できるとしたら短期の仕事、新卒の大学生とは違い私の場合は職歴があるので企業の方にワンチャン聞いてみる、ということでした。なお、OPT向けのエージェントというのもあります。その場合は、学生が紹介料を支払って紹介してもらうというのと、給与がとても安い(法律で決められた最低賃金を下回っているように見えるけどOPTならいいのかなぁ?)という特徴があります。私はOPTの期間は給与収入と生活費の支出のバランスが赤字にならないのであればアメリカでの滞在を続けると決めていたので、OPT向けの求人への応募は考えていませんでした。

IndeedやMonsterに経歴を載せていると、ヘッドハンターから電話がかかってきます。超早口で何を言っているのかよくわからないですが、どの人も大体同じことを言うので徐々に慣れました。でもヘッドハンターからの電話で何かが起こることもないとすぐに悟りました。だいたい、募集している仕事の内容もあまりよく把握していないし、私の経歴もほとんど読んでないです。日系のエージェントからも何件か案内をしてもらいましたが、先方が私の経歴を勘違いしていたり、VISAの要件や、アメリカに何年滞在したいと思っているのかなどの要件を勘違いしていることが多く、マッチングしませんでした。そもそもOPTを1年だけして日本へ帰りたい人は私くらいのもので、他の人は少なくともしばらくはアメリカで働きたいという希望があるということを知りました。(だからみんな勘違いする)

自分からも求人に応募したりしましたが、うまくいくことはなく、ただ過ぎていくだけの日々。1月末までに仕事の目途が立たなかったら日本へ帰ろうと思っていました。

そんな中、詳細は全部端折るのですが、ある日系のSIerのお客さん先のシステム関連の仕事をさせてもらえることになりました。OPTの仕事が決まったのです。うれしい!いろいろありまして、職場のあるNYに引っ越しました。

仕事のことはほとんどブログには書けないと思うので、頻度は落ちるかもしれないのですが、今後はNYの生活のブログを書こうと思っています。またお付き合いください。